円高局面の終了とドルの底打ちを確認へ

給与所得の伸び悩みや一連の増税策、年金制度の財源問題などから、ライフプランの抜本的な見直しが求められています。大幅な収入増が期待できない場合、余裕資金をいかにうまく増やせるかが、教育やマイホーム、更には老後の生活のレベルを大きく左右することになります。

円高局面の終了とドルの底打ちを確認へ

ドル長期金利の下げ止まり

 

このところドル円相場は堅調に推移しています。為替市場全体をみわたせば、ドルは多くの通貨に対して上昇しており、11月に入ってからはドル安傾向は終了、むしろドル反発局面に入ったといえるでしょう。その動きの背景にあるのは、ひとつは、年末に向けたポジション整理の動きです。n月は多くのヘッジファンドが決算期末を迎えます。また感謝祭からクリスマスにかけては休暇シーズン。そのために、n月末にかけては、それまで手がけていたポジションを手仕舞う動きが活発化します。年央以降は米国の追加的な量的緩和期待を背景に、投機的なドル売りが大量に積み上がっていました。そのため11月中旬以降、足元に及ぶまで解消が続き、ドルを押し上げています。

 

もうひとつの要因は、12月が多くの米国企業にとって決算期末であることから、海外子会社等から本国への資金送金が増え、ドル需要が高まることが挙げられます。より重要なのは、ドル安の流れを支えてきたドル長期金利の低下傾向が、ここにきて終わったとみられること。足元の長期金利の上昇は、単なる年末前のポジション調整、債券売却による動きに止まらず、中長期的なトレント変化の可能性が高いと考えられます。年明け以降も、米長期金利の動向がドル相場の鍵を握りそうです。

 

11月の米雇用統計は市場の事前予想を大きく下回る内容でした。しかしながら、ISM指数など、他の経済指標は概ね緩慢ながらも順調な景気回復基調を示しています。こうしたことから、雇用情勢も着実な改善傾向を歩んでいると想定され、今回の予想外に低調な数字は統計上であった可能性が高いでしょう。加えて、米国ではブッシュ減税の延長が決定される見込みとなったほか、失業保険給付期間の延長や新たな減税措置も打ち出されました。これにより、米国景気の回復基調は後押しされることになります。すでにFRBによる追加的な量的緩和が実施に移されていますが、その米国債購入にもかかわらず、米国の長期金利は大幅に上昇しています。足元での資金供給と景気回復基調の鮮明化か、むしろ長期的なインフレ期待を高めて長期金利を押し上げています。年明け以降に発表される経済指標、とくに雇用統計は極めて重要。

 

これが堅調な経済動向・雇用情勢を示すようなら、米長期金利は高止まり、あるいは一段高となる可能性があり、ドルを支えると予想されます。これまで、世界景気の拡大、株価上昇など、リスク選好が高まる局面において、ドルは下落する傾向にありました。ただ、それは、ドルに資金が回帰していたところから逆にリスク資産に再投資される局面であったり、あるいは、米国の金利が低下傾向にある局面でした。今回は、その両者ともにあてはまらないこと、むしろ米国景気の回復基調が鮮明となり、ドル金利が上昇基調に転じたとみられることから、ドル相場は底打ちから反転上昇局面に入ったとみられます。

 

 

外国為替市場では中国の消費者物価指数(CPI)、鉱工業生産、小売売上高といった主要な経済指標の発表が予定されており、インフレ警戒によって中国関連セクターへの売りなどが警戒されやすい。週末のユーロ・円相場は115円台前半までユーロ安が進むなど、根強い欧州の信用不安も物色意欲を後退させる。13日にはオプションSQ(特別清算指数算出日)が控えていることも、手掛けづらくさせることになろう。